以前
こちらでご紹介したように、米原市醒ヶ井の山奥にある廃村・榑ヶ畑は、ここに至る車道が開設されるまでは落合・男鬼をへて彦根方面との交流が主であったそうです。
榑ヶ畑はいわゆる彦根道の出発地であったわけです。
「e-konの道をゆく」によると、榑ヶ畑から落合へは柾板峠を越え12丁(約1310m)、牛も通えるほどの立派な道であったそうです。
そして、この道沿いに「シブラ・板ノ原・トチビラ・三谷・小谷」といった小集落があったといわれております。これらはすべて、榑ヶ畑の小字であったとのこと。
というわけで、今回は
セロ尾さんや
寿師匠が取り上げておられた「シブラ・板ノ原」村落跡についてその痕跡を訪ねてみたいと思います。
さっそく地図をご覧いただきましょう。
青線は榑ヶ畑からシブラ・板ノ原村落跡へとたどった道。緑は帰りの道です。
昭和32年の地形図によると、車道は榑ヶ畑の入り口までで、ここから現在の本線延長部分と支線を通り落合に至る点線路と、榑ヶ畑集落の真ん中あたりから西の尾根を越え現在の支線の「シブラ・板ノ原村落跡」看板あたりで合流する点線路が描かれています。
前者の道沿いに三谷・小谷・トチビラといった集落が、後者にはシブラ・板ノ原集落があったものと思われます。
さて、榑ヶ畑の中心部にやってまいりました。現在の地図にも描かれている集落中ほどの道はこの辺りにあるはずなのですが・・・
どうやらこれのようですね。
彦根道の始まりは位置的にもこの道であろうと思います。
これを辿ってみましょう。
最初はこの立派な道。しかし例によってこの道もすぐになくなります。
このお墓のあたりからもう道がはっきりしませんな。
道が続いていたと思われるこのお墓の裏手の斜面は5mほどの断崖になっており迂回を強いられます。
ヒル全開のこの時期あまりウロウロしたくないのですが・・・
この断崖を越えると、シダに覆われた広い緩やかな傾斜地(地図中①の地点)が広がっています。
どこでも歩けるので、かえって道のあった場所がわかりませんが、ところどころに苔むした石積みが見られ道があったことがうかがえます。
ここに集落があったとしても不思議ではないような地形です。
あるいは、榑ヶ畑の畑地であったのかもしれません。
ここから峠までは直線距離で100mもありません。
峠に着きました。
尾根を越えると、またもや広い傾斜地(地図中②の地点)となります。そしてここには立派な石垣が多数残っていました。おそらくここが板ノ原集落ではないかと思われます。
ここから、「シブラ・板ノ原村落跡」の標識まで500mほど、「小谷」までは250mほどです。
峠付近にはわずかに道らしき跡が残っています。しかし集落跡と思われる地点を過ぎると、またもや跡形もなくなり・・・けもの道を辿っていると支線と本線の分岐地点「三谷」に出てしまいました。
支線を歩いて「シブラ・板ノ原村落跡」の看板前までやってまいりました。
便宜上、この看板に近い方をシブラ、遠い方(榑ヶ畑に近い方)を板ノ原と呼ぶことにしております。
で、今度はシブラ集落の跡を探します。
看板から下に降りると、確かに広い平坦地で(地図中③)集落があったとしても不思議ではないのですが、この辺り湿地帯でじめじめしており住むにはあまり適しているとは言い難いように思います。
むしろ東の谷を少し遡った地点(地図中④)のほうが住むには適していると思いました。
④の地点を調べてみましたが、住居があった証拠は得られておりません。
③に関しては、炭焼き窯の跡と思われる窪地が何ヶ所かあって、むしろ山仕事や何かの作物を作っていたような場所であったのではないかと思います。
結局、シブラ集落に関しては推定される位置すらわかりませんでした。
しかたないので撤収します。
帰りは、GPSとにらめっこでできるだけ点線路に沿って榑ヶ畑まで戻ることにします。
こんなところや
こんなところを通って、先ほどの板ノ原集落跡と思われる地点に戻ってまいりました。
そして再び峠を越え
榑ヶ畑のはずれに戻ってきました。
真ん中に見える白い道は霊仙の登山道。右に行けば山小屋「かなや」を経て汗拭き峠に至ります。
結局何一つはっきりしなかったわけですが、②の地点の石垣群はなかなかの見ものでした。
もう一つ。この「三谷」「小谷」「トチビラ」「シブラ・板ノ原村落跡」などの看板ですが、いったい誰が設置したのでしょう?米原市の公的な機関ではないそうです。
個人的には、「かなや」のご主人SK氏ではないかと思っていますが・・・
その氏も先ごろ亡くなられ、ついに確かめることはできなくなりました。
帰りに、以前より気になっていた榑ヶ畑線から分岐する短い廃林道を調べてみました。場所はこちら。
榑ヶ畑方を向いてますが、右手に入り口が見えます。
わずかな距離なのですが、この終点に
廃屋群があると聞いたことがあったので見に行ってみようというわけです。
そして噂の廃屋群!
…て
山仕事の出小屋やん

だいぶ期待外れな廃屋群でした。
おしまい