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山中廃徊記

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権現谷林道まであと100mという地点まで戻りながら、そこから先になぜか進めなくなって再び行者谷の奥へと舞い戻って行きます。

本日3度目の分岐に着きました。かなり体力も消耗して、現在18時をすぎています。
この谷を抜ける道を考えると、候補は4つあります。
A.先ほどの軌道跡を通り作業道から白谷林道に出る
B.重谷の伐採地を通り谷を詰めて白谷林道に出る
C.重谷の伐採地から上部軌道跡を通り、笹峠・今畑経由で県道に出る
D.上部軌道跡の終点付近から白谷林道終点に出る

Dは過去に一度歩いたことがありますが、なんせ林道に出てからの距離が長すぎるので最初に却下。
Aは道があるとは思うものの、一度も歩いたことがなく暗くなってからは・・・
Bも歩いたことはないが、最短距離で白谷林道に出られそう

ということでB案に決定!(←もうすでに正常な判断ができていない)
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伐採地のお気に入りの橋から、もうだいぶん薄暗くなった重谷を遡ることおよそ30分。時刻は19時を過ぎあたりは真っ暗。
日帰りでもヘッドランプは必ず持って行きますが、初めての道、しかもこの時期まだまだ植生は旺盛で頼りない明かりではいかんともしがたい。
どうしたもんかなぁ・・・と考えながらふと見上げると

人が・・・立っている?
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あえて確かめませんでしたが、まあ木か岩が人に見えただけだろうということにしておきます。
さっき降りれん岩の上で聞こえた声はこの人かな?案内してくれるのかな?と一瞬思ったことは内緒ですよ(笑)

これはあかん、これ以上動くのはヤバいと判断し地図中④の地点で撤退しました。

再び重谷の伐採地に戻ってきました。ここには壊れかけとはいえ小屋がある。お気に入りの橋もある。一晩過ごすにはまあまあの環境でしょう。もう選択肢はC案しかありませんが、ここはその出発地点でもありますしね。
とうとうこの日は谷から抜け出すことはできませんでした。

小屋に着いたのは19時30分ころ。水は途中で補給して充分ありますが、食料が菓子パン2個のみ。
明るくなる翌朝5時過ぎまで、9時間もあります。
パン1個の半分を食べるとすることもなく寝ようとしますが、寒い
寒くて寝られん・・・と思いながらもうとうとしていつしか寝入ってしまったようです。
冷たい風が顔に当たり目が覚めました。時計を見ると午前1時をまわった頃。

用をたそうと小屋から出ると、月明かりの下、対岸の林の中に
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人が立っている
ビビりの私は、今回も確かめには行きませんよ。あれは木なんだから。木がそう見えているだけなんだから・・・

小屋に戻り、寝てしまおうとしますがなかなか眠れません。と言いながらも寝てしまったんですねこれが(笑)

気がつけば5時前。あたりはまだ暗いのですが出発することにしました。
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今から辿る上部軌道跡は、軌道跡だけあってほぼ水平だし、過去に何度か歩いています。多少暗くても問題はないでしょう。途中崩れてなければですが。
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こんな感じの道です。途中には橋があったようですが橋台のみ残っています。
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そしてゆっくり慎重に歩くこと1時間。地図中⑤の集積地跡に到着しました。
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林の中は暗いですが、空はだいぶん明るくなってきました。

この少し先に白谷林道末端にでる山道がありますが、暗くてよくわかりませんでした。さらにその少し先は植林地を抜け草原と荒れ地が広がる気持ちのいい場所。
⑤の地点から30分ほどのところです。
すっかり明るくなり、今日も暑そうな気配ですが、今は秋のような爽やかさです。
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ここで残ったパンを全部食べたりました。ようやく行者谷から解放された瞬間でした。
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ここから笹峠までは20分ほどの距離。
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中央の草原状のところが笹峠です。
あとは下るだけ。今畑を通り、県道に出て妛原から権現谷林道に入り行者谷の橋までは1時間半ほどです。

こうして、あの「声」に従ったため100mで済むところを9kmほどの遠回りにはなりましたが、無事生還を果たすことができました。

谷で見たモノ、聞いた声が何だったのかというと、単なる幻覚・幻聴、見間違え・聞き間違えの類いだと思いますが、なかなかに興味深い体験ではありました。

おしまい

この記事に

  • 堪能した(笑)。
    正に正統派の怪談。しょーもないエセ心霊バナシとかよりも、100倍怖く、そして面白かったです。いや、絶対自分では体験したくないですが(笑)。あとイメージ写真が怖すぎです。

    勝手知ったる山なら夜に一人で歩いても平気なんですかねえ。考えてみりゃ、私も御嶽なら平気でした。森林限界よりも高いので、晴れてれば月明かりだけで歩けるっていう(笑)。 削除

    [ クイック ]

    2018/9/1(土) 午後 6:53

    返信する
  • >山神さん
    いつもナイスをありがとうございます。 削除

    [ そらまめ ]

    2018/9/1(土) 午後 6:53

    返信する
  • >sero-さん
    いつもナイスをありがとうございます。 削除

    [ そらまめ ]

    2018/9/1(土) 午後 6:55

    返信する
  • >モタ郎さん
    いつもナイスをありがとうございます。 削除

    [ そらまめ ]

    2018/9/1(土) 午後 6:59

    返信する
  • > クイックさん
    いつもありがとうございます。
    たしかに御嶽山のような高い山は月明かりだけで充分歩けますね。多賀あたりでは植林地が多く昼なお暗い感じなので知っている場所でも夜は歩きたくないですが。昔暗い登山道で穴に落ちたことありますし(笑)

    個人的には貴ブログの「辨天橋」のおじいさんの写真の方が怖かったです。あちらはイメージではなく本物ですし・・・夜の山道にあんな人がいたら、たぶん泣きます(怖)
    ナイスもありがとうございます。 削除

    [ そらまめ ]

    2018/9/1(土) 午後 7:24

    返信する
  • ちょっとシャレにならん体験ですね・・・
    想像しただけで寒気がしますよ。
    しかも腐ったボロ小屋で一晩過ごしたとか、ワタシには絶対無理ですわ
    無事で何よりです。お疲れさまでした

    前日にこんな体験してたら、トンネルコンサートなんか行ってられませんね(笑) 削除

    [ セロ尾 ]

    2018/9/1(土) 午後 9:38

    返信する
  • > セロ尾さん
    いつもありがとうございます。
    ほんとシャレになりません。客観的に見ると「遭難」ですもんね。まあ自宅もボロなのであの小屋はあまり苦になりませんでしたが(苦笑)
    もう年なんだしあまり無茶をしてはいけません・・・という天の声ですかね
    しばらくの間、行者谷には近づかないようにしたいと思います。
    ナイスもありがとうございます。 削除

    [ そらまめ ]

    2018/9/1(土) 午後 11:13

    返信する
  • >エルム( ̄(●●) ̄)さん
    いつもナイスをありがとうございます。 削除

    [ そらまめ ]

    2018/9/1(土) 午後 11:25

    返信する
  • 小生もよく似た体験がありますよ。以前に何を思ったのか雪の積もった石榑峠を滋賀側から抜けようとした時に、いきなり人(地元の人風)が飛び出して来て小生の自動車を止めて「そっちに行ったら危ない」と制止してくれたことがありました。ちょっとイラっとしつつも指示に従って切り返したら、もうその人は消えていましたよ。自動車を降りて探して見たんですけどいない。あの時に石榑峠の方に登っていたら遭難していたと思います。 削除

    寿

    2018/9/2(日) 午前 0:20

    返信する
  • 顔アイコン

    冷静になって考えると正解はCしか無いですが焦ると人間必ず間違えてしまいますね。ヒトガタは進むな戻れ・留まれと表してたんではないでしょうか? 削除

    [ おろろN ]

    2018/9/2(日) 午前 0:46

    返信する
  • > 寿さん
    いつもありがとうございます。
    怖い体験されてますねぇその方は、通称『(良い方の)連れに来る人』だったのでしょうか。
    『(悪い方の)連れに来る人』でなかったのは幸いでしたね。何はともあれ、おかげで助かった訳ですから・・・ 削除

    [ そらまめ ]

    2018/9/2(日) 午前 0:51

    返信する
  • > おろろNさん
    まったくおっしゃる通りで、このさいCしかあり得ませんが、現地ではそう思わなかったという⋯後で考えると不思議な心理状態でした。 削除

    [ そらまめ ]

    2018/9/2(日) 午前 11:10

    返信する
  • 無事で良かったです。良くビバークの決断をされましたね、一刻も早く帰りたいと思って深みにはまるのが普通ですもんね。

    でも、いつか私もこの辺り歩いてみたいです。もちろん、昼間にですが(^^;) 削除

    [ kona ]

    2018/9/2(日) 午後 0:18

    返信する
  • > konaさん
    いつもありがとうございます。
    正直なところ、あのボロ小屋がなければ歩き回っていたかもしれません。
    あの小屋と、ヒトに見えたモノのおかげです。

    ぜひ明るいうちにお訪ねになってみてください。いい雰囲気のところですから。ただし落石にはご注意あれ 削除

    [ そらまめ ]

    2018/9/2(日) 午後 0:42

    返信する
  • >dah*i*010*さん
    いつもナイスをありがとうございます。 削除

    [ そらまめ ]

    2018/9/6(木) 午前 8:21

    返信する
  • いやー、読んでいるだけでチビりそうでした!
    これぞまさしく山怪ですね。ワタシならビバークという勇気ある決断ができたかどうか怪しいですよ。その小屋に泊まるくらいなら、なんとしてもその日のうちに山から出ようと足掻いて・・・きっとドツボにハマっていたでしょう。
    いやぁ、非常に読みごたえがありました。なんだかありがとうございました(笑)。 削除

    [ kpk@仮 ]

    2018/9/8(土) 午前 8:40

    返信する
  • > ケッパコAYさん
    おはようございます。
    あんなモノ(幻覚?)が見えるまで追い詰められたというのは、お恥ずかしい限りです。反面、そのおかげであの小屋で一夜をあかす決心がついたのだと思います。とても「勇気ある決断」とは言えません(苦笑)
    当日はなぜか’無理しないモード’に取り憑かれてましたし⋯
    そんな行者谷ですが、林用軌道跡探索ツアーの計画があるとか。実現の暁には、どうぞご参加くださいますよう
    ナイスもありがとうございます。 削除

    [ そらまめ ]

    2018/9/8(土) 午前 10:02

    返信する
  • >山想花 MT3190さん
    はじめまして。
    ナイスをありがとうございます。 削除

    [ そらまめ ]

    2018/9/9(日) 午後 1:52

    返信する
  • >けんさん
    いつもナイスをありがとうございます。 削除

    [ そらまめ ]

    2018/9/12(水) 午後 0:26

    返信する
  • >FREEDOM・SANBOさん
    ナイスをありがとうございます。 削除

    [ そらまめ ]

    2019/1/22(火) 午前 10:15

    返信する

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