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山中廃徊記

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2016年06月

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皆様よく御存じの比婆神社。男鬼の村はずれにひっそりと佇んでおられます。
今は、コンクリート舗装の林道が社殿の傍まで導いてくれます。この林道の終点から北東(上ってきたら右手)方向に古い石段が降りて行きますが、これはお察しの通り林道ができるまで使われていた旧参道です。
イメージ 1
かれこれ7〜8年前の話ですが、ここを降りて行ったところ、最後は川に突き当たって道はなくなっていました。川を挟んで向かい側には林道が見えており適当に藪を掴んで川に降りて林道に登り返したのでした。
真夏だったのか、手強い藪にうんざりしていたのですね。
以来、旧参道は(少なくとも下部では)もう残っていないと考えていました。

4月の初めごろ、我らが同志セロ尾さんのこの記事の中で旧参道についてのお問い合わせがあり、そのようにお答えしました。
しかし、それ以来どうも気になっていたのです。このように篤く信仰され歴史もある神社の参道がそう簡単になくなるだろうかと。
これは調べてみるしかない!! ということで前振りが長くなりましたが、今回は下から調べてみようというわけです。

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北西側の測點標も意外と簡単に見つかりました。
しかし両方の測點標の裏面に刻まれた、
近江美濃國界字立分峠基點
については謎が残ります。
「字立分峠」とはどこを指すのか。普通に考えれば五僧峠のことと思われますが、「日本の測量史」にも「字立分峠」という地名は確認できないと述べられています。
多賀町史附図では、五僧峠は単に「峠」と呼ばれており、付近に立分峠という字名はありません。
一方の「基點」ですが、方位と距離は測點標に書かれてあったのでこれを基に考えると
イメージ 1
およそこのような位置関係であろうと思われます(偏角は考慮していません)。この辺りを探せば、もしこの基點が石造であるなら見つけられるかもしれません。木杭の類なら140年の間に朽ちているでしょうが。
「日本の測量史」では『両測點と基點は一直線上にあったと思われる』と述べられているので、上の地図の位置関係は少々怪しいかもしれません。
いずれにしても、○ンタイの方々が好んで訪れる当地に、140年も前から峠を挟んで向かい合いひっそりと佇んでいる石碑があるという…
そのことだけでも、なんだかワクワクしませんか。
謎については引き続き現地調査やら文献漁りやらで解明できるようにしたいと思います。いったいいつになるのか分りませんけどね。


五僧峠の測點標を探せ〜おしまい

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北西側の測點標の位置に関しては、漠然とした情報しかありませんでしたが
①県界標なので県境上にあるだろう
②峠からの距離は南東側と同じくらいだろう
という二つの「だろう」をもとに探してみます。まず取りつきはここ
イメージ 1
送電鉄塔の巡視路ですね。これも最初ははっきりした道なんですが、すぐにわからなくなります。鉄塔自体は県境の尾根から西にずれてるので、このさい道のない尾根を無理やり辿ることにしました。しかしこの尾根、本来は植林地なのでどこでも歩けそうなのですが、伐採した木が放置されていて非常に歩き辛いうえに、南東側より傾斜がきつい。
こんな尾根を5mごとに立ち止って左右を見まわしながら登ります。
そうして120〜30mほど、時間にして20分ほど経ったころ右に10mほどのところの木の根元に…
あったぁ測點標や!!
イメージ 2
でも、なんで県境上にないの?と思ったら、自分が県境から南にずれたところを歩いていたようです。
南東側より標高にして30mほど高い位置ですが、ほぼ同じ距離と高さの場所に向かい合って建っていました。
140年前はここも植林地ではなくお互いが見通せたことでしょう。

上から見ると、南東のものと同じように十字が刻まれています。
イメージ 3

そして裏面にも同じように文字が…
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一部を拡大してみると
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イメージ 7

「射近江美濃國界字立分峠
  西北之基點八十三度六分
  此距離十間 
  明治九年四月」
と刻まれています。
こちらも、「立分峠」「基點」については詳細は不明です。

ともかく、見つかってよかったです。

次回、まとめにつづく



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「五僧峠の測點標を探せ」を書くにあたって、上西勝也氏の「日本の測量史」を参考にさせていただき、随所に引用させていただきました。引用を快諾してくださった上西先生に改めてお礼申し上げます。

さて、南東側の測點標は、五僧峠の説明板の左から尾根にとりつきます。
イメージ 1

最初わりとはっきりした道(植林用の作業道?)がありますが直ぐに分からなくなるので、尾根上を適当に辿るとまたしっかりした道が現れます。
その道の真ん中に鎮座しています。
距離は峠から100mもありません。約10分弱ですね。何度も登場しますが表は

イメージ 2

そして裏側です。
イメージ 3

裏側には
「射近江美濃国界字立分峠東南
  之基點三百九度四六分此距
  離十二間一尺六寸
  明治九年四月」

と刻まれているそうです。
ここに書かれている、「立分峠」がどこを指すのか、また「基點」がどこなのかあるいは現存するのか、などはよくわかっていません。

基點に関してはその方角と距離が書かれているわけですが、形や材質などが不明なので発見するのは難しいかもしれません。
測點標から峠方向を見ても…
イメージ 4
岐阜県側を見ても…
イメージ 5
けっこうな急斜面で、探すのは大変ですわ。次回にしましょ。

では、いったん峠に戻って今度は未知の北西側の測點標を探しに行きましょう。

つづく(^_^;)

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実は今回、五僧峠の測點標を探しに行った際、あるものを発見(?)したのですがこれについて皆様のご意見をお伺いできればと…
単なる錯覚だと思いたいのですが、なにせ容易に近づけない場所なので確認するにはそれなりの装備が必要ですから。
その「あるもの」とは、まずこの写真をご覧いただきたいのですが
イメージ 1
黄色で示した部分に人工の構造物が見えないでしょうか?
たとえばコンクリートの路肩のような
イメージ 2
場所は下の地図を参照してください。行者橋を渡ってすぐ、路肩にコンクリートの擁壁が始まる前あたりの対岸、林道とほぼ同じ高さのところにあります。
イメージ 3
いったいこれが何なのか、それ以前に単なる自然の造形なのか人工物なのか皆様の見解をお聞きできればと思うわけです。
イメージ 4

イメージ 5
ご存知のように、現場は絶壁で前後に道があるわけでもなさそうなので容易に近づけません。秋頃には調べに行きたいと思っていますが…

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